第4教室:『仏作文』①スタンダードフランス語講座 / ②『吾輩はネコである』

『ジュール叔父さん』と『星』の学習は終了、過去記事保存しています.た.

吾輩はネコである(1)

夏目漱石の「吾輩は猫である」が英訳されて、出版されている。
興味があったので、買ってみた。そしてよからぬことを考えた。
すなわち、

 「これをまた、日本語訳したら、どうなるの?」

ということで挑戦しかけたのですが、どうせなら
さらにフランス語にならないかな?と思ったので
書いてみました。

   
I am a cat.「吾輩はネコである」(1)

 

 —————————【1】————————————————

原文: 吾輩は猫である
英文: I am a cat.
和訳: ボクはネコ。
仏訳: Moi, c'est un chat. 
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原文: 名前はまだ無い.
英文: As yet I have no name.
和訳: だけど、まだ名前がないんだ。
仏訳: Mais, on ne m'a pas encore donné le nom. 
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原文: どこで生まれたか頓と見当がつかぬ.
英文: I 've no idea where I was born.
和訳: どこで生まれたかは知らない。
仏訳: Je ne sais pas la place où je suis né.
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 仏作文 (1)(スタンダードフランス語講座❸より)


   仏作文 【第1回】

(スタンダードフランス語講座❸より)


フランス語学習日記:この日記では「大修館スタンダード・フランス語講座③」
を使って、仏作文の練習をします.みなさんも、ご一緒にいかがでしょうか?
発行年度が1972年と古い書物なので、新品の入手は難しいのですが、アマゾ
ンなどで、とりあえず中古本の入手は可能です.
 
 テキストの解説文は丸写ししますので、まさかとは思いますが、出版関係
からクレームがくれば、投稿は中止になります.  なのでまあ、早いとこさ、
学習を進めましょう.

 

 仏作文(スタンダードフランス語講座3より1回目)

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Leçon 1  地理 Géographie  

例文
1. 日本の人口は、毎年増加している。
   La population du Japon augmente chaque année:


◆ 文例1 はフランス語の基本文型のうちで最も簡単な,
「主語 + 動詞」 「~が(は)...する」という形に、
ちょっとした修飾語がついたものです. 骨組みは
「人口は増加している」  La population augmente. に「日本の」と、
「毎年」という修飾語が加わっていることは一目瞭然でしょう。
「ポールが踊っている」とか「マリーが歌っている」も同じ文型で
すが、単語を入れ替えたり修飾語を加えたりすると、もっとむずか
しいことがいくらでも書けるわけですから、構文を把握することが
作文の第一歩です.

◆ 「日本の人口」は、  la population japonaise でも、「日本では人口が...」
と解して、Au Japon, la population... としてもかまいません. 「毎年」は
tous les ans とも訳せます.「増加する」の反対の「減少する」は diminuer
です.   


作文問題A

 1: ポールは今夜、町で夕食をとる。

 私、春之助生徒の答案
   Paul prend dîner ce soir en ville.    自己採点 ✕ (1点 / 10点中)

 間違い点:dîner→le dîner
 (dîner を名詞として用いるなら冠詞が必要)   

正解は:
   Paul dîne en ville ce soir.  

反省 わざわざ例文に第1文型(主語+動詞)のパターン
   が掲示されているのだから、無視した罪は重いので1点。
  

問題A
2.  マリーはもうこの工場で働いていない。

春之助の答案
      Marie ne travail plus dans cette usine.   


正解は
   Marie ne travaille plus dans cette usine.


   ≪感想≫
 travailler (動詞)とtravail (名詞)を混同してはいけない。
 しっかり覚えておきましょう
 採点 ✕(1点 / 10点中)
          (発音は正解と同じだが文法的にはアウト!)


問題A
3. あ、もうお帰りですか?


春の助生徒の答案
  Oh, Vous revenez déjà ?   


正解は
    Ah, vous partez déjà ?

  ≪感想≫
これじゃもうもどってくるか?
になってしまう.
revenir にはvenir という言葉が含まれているのでした.
日本語の「帰る」には「行く」という思いも入りますが
この祭はっきりさせましょう.
  
自己採点      (1点 / 10点中)
 (revenirは帰って来るということだから正反対の大間違い。重罪)

 

問題B
1. 鋼鉄の生産は1年に200万トンずつ増加している。


春之助生徒の答案
 La production de l'acier augmente de 2 millions tonnes par an.  

 
正解は
  La production d'acier augmente de 2,000,000 de tonnes par an.

       ≪感想≫
   de のあとの名詞が形容詞的に用いられると、冠詞を省略するとのこと。
  de l'acier→d'acier     (減点1点)
  millions  と tonnes の間に de が必要みたいです。  (減点3点)
  (自己採点  6点/10点中)

   

2.医学の進歩のおかげで、近年は死亡率(le taux de mortalité)が目に
  見えて減少した。


春之助生徒の答案
  Grâce à progrès de la science; le taux de mortalité a diminué ces dernière années.   
  
 
正解は
   Grâce aux progrès de la médecine, le taux de mortalité a sensiblement diminué
   ces dernière années.   
 
   
    ≪感想≫
sensiblementを付け忘れ(減点2点).医学は la médecine( la scienceも可)
進歩は単数でも複数でもよいと思います.
       自己採点:  8点
書く、という行為は、「うろ覚え」から「しっかり覚える」
という段階に進めるような気がしました.


  【単語の勉強】
◇ an と année : 

主として数詞や par に先立たれた場合は an (m)を
その他は année を使います.
   「3年前に」il y a trois ans.
   「私は20歳です」J'ai vingt ans.
   「学年(度)」l'année scolaire 
   「一年中」toute l'année.
「去年」や「来年」には、どちらも用います.
l'an dernier,  l'année dernière

 

ジュール叔父さん(86)(最終回)モーパッサン作品集より(フランス語学習)


ジュール叔父さん(86)(最終回)


——————————【86】————————————————

  Je  n' ai  jamais  revu  le  frère  de  mon  père !
  Voilà  pourquoi  tu  me  verras  quelquefois  donner
cent  sous  aux  vagabonds.  


.——————————(訳)————————————————

 ぼくは叔父にはそれっきり会うことはなかった!
 これがなぜしばしばぼくが浮浪者に100 スーを与える光景
を君は見るのかというわけなのだ.


——————————《語句》——————————————
           
revu:(p.passé) <revoir (他) 再び会う  
jamais:(副) 二度と~ない;
    avec un souvenir qui ne réapparaîtra jaimais 
      二度と帰らぬ思い出乗せて 
verras:(単純未来2単) < voir
donner:視覚動詞voir の補語、同時にvoir の目的語me 
      を意味上の主語にもつ述語不定詞.
   Tu vois me donner une pomme à Marie.
      君は私がりんごをマリーにやるのを見ている.        
vagabond(e):(名) 浮浪者、放浪者、ホームレス.


————————≪学習は以上です≫—————————————

pro解約の都合上あと10日で入室ができなくなるため

投稿を急ぎました.急がせてすみませんでした.

そして

長い間、おつき合いいただきありがとうございました.
「ジュール叔父さん」の学習はこれで終わりです.お
疲れさまでした.モーパッサンは文章が自然で素直だ
といわれており、多くの学習教材に使われています.
『ジュール叔父さん』もそのひとつで、フランス語
を学ぶ上での格好の教材かも知れません.この学習
で用いました教材は下記の通りです.

1:大学書林「首飾り(他三篇)」(p.42 ~ p.73)
2:大学書林モーパッサン短篇集Ⅱ」
3:第三書房「モーパッサン短篇集(1)」
4:folio calssique “Maupassant —Miss Harriet ”  
                             (p.225 ~ p.236)

 

ジュール叔父さん(85)モーパッサン作品集より(フランス語学習)


ジュール叔父さん(85)


——————————【85】————————————————

 Et  nous  sommes  revenus  par  le  bateau  de  Saint-
Malo,   pour  ne  pas  le  rencontrer.    Ma  mère  était
dévorée  d' inquiétude.


.——————————(訳)————————————————

 そして再びこの人に会わずにするため、私たちはサン
・マロ行きの船に乗って帰って来ました.母は心配で気
をもんでいました.


——————————《語句》——————————————
          
le bateau de Saint-Malo:サンマロ行きの船
   de の定義には「起点」があるので
   サンマロ発の船とも解釈できます.
      本文では起点はジェルセイなのが明白
   であるため、「サンマロ行き」に
   de を用いたのでしょう.辞書で確認
   したところ、le train de Paris は「パリ
   行きの列車」と「パリ発の列車」の
   2通りの解釈があるとのことです.
   (小学館プログレッシブ[de の項目])     
dévoré(e):(形、p.passé) 苦しんだ、悩まされた
   < dévorer (他) 苦しめる  
inquiétude:[アンキエテュード](f) 不安、心配

 

ジュール叔父さん(84)モーパッサン作品集より(フランス語学習)


ジュール叔父さん(84)


——————————【84】————————————————

 Mais,   comme  personne  ne  mangeait  plus  d' huîtres,
il  avait  disparu,  descendu  sans  doute  au  fond  de  la
cale  infecte  où  logeait  ce  misérable.


.——————————(訳)————————————————

 しかし誰ももう牡蠣を食べなかったので、男は消え去
っていました.きっと悪臭ただよう船倉に降りて行った
のだ.そこがこの哀れな男の住まいなのだろう.


——————————《語句》——————————————
                 
cale:(f) 船倉; fond de cale / 倉底  
infecte:[アンフェクト](形) 悪臭を放つ、胸が悪くなるような、
    ひどい    
logeait:(半過去3単) < loger (自) 住む、泊まる

 

 

ジュール叔父さん(83)モーパッサン作品集より(フランス語学習)


ジュール叔父さん(83)


——————————【83】————————————————


  Lorsqu' on   approcha  des  jetées,   un  désir  violent 
me  vint   au  cœur   de  voir  encore  une  fois   mon
oncle  Jules,   de  m' approcher,   de  lui  dire  quelque
chose  de  consolant,  de  tendre.
 

.——————————(訳)————————————————

 桟橋に近づいたとき、もう一度ジュール叔父さんに会
いたい、そばに近づいて叔父さんに何か慰めの言葉、優
しい言葉をかけてあげたいという激しい欲求がぼくの心
に持ち上がりました.


——————————《語句》——————————————
               
jetée:[ジュテ](f) 埠頭、桟橋

 

ジュール叔父さん(82)モーパッサン作品集より(フランス語学習)


ジュール叔父さん(82)


——————————【82】————————————————

  Elle  s' arrèta  sous  un  regard  de  mon  père,  qui
désignait  son  gendre.
  Puis  on  se  tut.
  Devant  nous,   à  l' horizon,   une  ombre  violette
semblait  sortir  de  la  mer.   C' était  Jersey.
  


.——————————(訳)————————————————

 母は父の視線が婿のいることを示唆していたので小言
を止めました.
 それからみんな黙り込んでしまいました.
 私たちの眼前に、水平線上に、紫色した島影が海から
現れたようでした.ジェルセイ島でした.  
  

——————————《語句》——————————————
        
s'arrêta:(単純過去3単)  <s'arrêter (pr) 止める、
    口をつぐむ       
désignait:[デズィニェ] (半過去3単)
    < désigner (他) 指し示す;
    (言葉、仕草が)示す、意味する、   
gendre:[ジャーンドル](m) 娘の夫、娘婿;
   faire de qn son gendre / …を娘婿に迎える.        
tut:(3単単純過去) <taire 
se taire:(pr) 黙る、黙り込む、黙っている
   沈黙を守る


——————————≪文法≫——————————————

se taire 活用(s の出没に注意)(屋根記号出没にも注意)
現在...........................半過去............................単純過去
je me tais.................je me taisais.................je me tus
tu te tais...................tu te taisais..................tu te tus [チュトゥテュ] 
il se taît.....................il se taisait....................il se tut
n.nous taisons........n.nous taisions...........n.nous tûmes
v.vous taisez............v.vous taisiez...............v.vous tûtes
ils se taisent.............ils se taisaient.............ils se turent