第4教室:『仏作文』①スタンダードフランス語講座 / ②『吾輩はネコである』

『ジュール叔父さん』と『星』の学習は終了、過去記事保存しています.た.

語学学習日記『星』(16)(ドーデ短編集より)


『星』(16)(ドーデ短編集より)


——————————【16】—————————————————
     
——Adieu, berger.

——Salut, maîtresse.

    Et  la voilà partie, emportant ses corbeilles vides.
Lorsqu' elle  disparut  dans le sentier en pente, il me
semblait que les cailloux,  roulant*  sous les sabots
de la mule,  me tombaient un à un sur le cœur.


——————————(訳)——————————————————
      
——それじゃあね、羊飼いさん。

——さよなら、お嬢さん。

そしてお嬢さんは、空になったカゴを持って出発しました。
坂の小道にステファネットさんの姿が消えてなくなったとき
私には、石ころが、ごろごろとラバの蹄の下から転がってきて、
私の心臓めがけて、ひとつ、またひとつと、落ちてきたように
思えました。


——————————《語句》——————————————————
     
partie < partir (自) 出発する、立ち去る、帰って行く
  ※ partie を見てそのまま辞書で「partie」の箇所を
    引いて 「一部」と訳した方、いらっしゃいますか?
    この文は la voilà があって、ややこしいので、さもあ
    りなん。 本来 voilà  は 「ほら見なさい」で、その
    目的語が la で、là(そこの)「彼女を見よ」 プラス 
    過去分詞、彼女が~(過去分詞)である(をしている)
    のを見る.
    普通のvoir ならpartir も不定詞のままだが、これは
    もはや「見る」という概念からそれて、
    ほとんど、意味を持っていない。尚、目的語を頭にもった
    voici ,  voilà は 過去分詞が後ろに着くとき、目的語代名
    詞と性数一致させます。
    この単純な文に、分詞構文がついて、文章がかっこよく
    なって...いるかどうか、初心者の私にはわからないが、
    バランスはとれていると思います。
sabot  (m) (牛や馬の)蹄