『星』(34)(ドーデ短編集より)
———————————【34】—————————————————
Plus loin, vous avez le Char des âmes *¹ (la grande Ourse)*²
avec ses quatre essieux resplendissants.*⁴ Les trois étoils
qui vont devant sont les Trois bêtes, et cette toute petite *³
contre la troisième c'est le Charretier. *⁵
.———————————(訳)———————————————————
その向こうに、「魂の車」(大熊座)が4つの車軸を光らせている
のがあります。* その前を行く3つの星が「三匹の獣」。そして
その3番目の星向かい合っているとびっきり小さなのが「車引き」
です。
——————————《語句》—————————————————————
*¹ le Char des âmes:「魂の車」
*² la grande Ourse:大熊座
*³ cette toute petite :cette toute petite étoilsのこと。 このtoute
は形容詞でも 代名詞でもなく副詞です。基本形は tout で副詞
ながら子音もしくは有音のhで始まる女性形容詞の前でtoute(s)
となります。「まったく」「非常に」「ごく」という意味です。
Elle est toute petite. / 彼女はごく小さい。
彼女はすべて小さい、としてしまっては、わけがわかりません。
*⁴ resplendissant(s, e, es)(形)(発音;レスプランディッサン)(ト)
(現在分詞)輝く、光る)(de)(で)< resplendir (自)輝く
ちょっと本題から脱線しますが、この長い綴りの単語、行を
途中で変えるとき、どこで区切りますか?音節を確認しましょ
う。基本は、子音字の前。2つの子音字が続くと、子音字と
子音字の間で切ってもよいのでした。しかし子音字+l,
子音字+r,は、これで1つの子音とみなし、区切りません。
(例外は、ll, rr, lr, rl )
res-plen-dis-sant ですよ。英和辞典には、区切り印・があるのに、
仏和辞典にはなぜかないのでね。ときどきこんな学習も脱線し
ながらしましょう。
*⁵le Charretier. 「車引き」と訳しましたが、「荷車引き」です。
姿三四郎は「車引き」ですが、客車引き。
観光バスの運転手と大型トラック運転手の違いがあります。
が、まあ固いこと言わず、「車引き」でよろしく。
——————————≪文法≫—————————————————
Vous avez le Char des âmes avec ses quatre essieux resplendissants.
フランス語を始めてまだ3か月ぐらいの方なら
「あなたは輝く車輪をもった魂の車を持っている」
として、唸ってらっしゃるかも。
vous avez ~ とくれば、「あなた」が持っていなくても、
~がありますよね、と語りかけている、と解釈してください。
「avec 」も「~を持っている...」と訳せるのですが、
正直に「4つの輝く車軸を持った魂」と訳し上げなくても、
avec のことをavoir だと言いふらす悪いやつになりましょう。
ついでにavoir の活用形 a だと徹底的にうそをつきましょう。
そうすると、日本語訳が楽になります。
魂の車が「輝く4つの車軸」を持っている・・・のがある。
さらについでに、Vous avez も色メガネをかけてVous voyez に
見える~、と言っちゃいましょう。avoir の a を取っちゃうと
voir だから兄弟のようなものだ。(こんなこと、ガッコで言えば
せんせに叱られるからご注意。ここだけの話)
結論:
「4つの車軸を光らせている魂の車が見えるでしょ。」
ここまでくれば、「原文無視道初段」に認定します。